「妊娠中の便秘、つらくないですか?」私も例外ではなく、4日間出ない…なんてことも。
しかも陣痛と便意を間違えるほどでした(笑)妊娠中の便秘は「仕方ない」とあきらめがちですが、正しく対策すれば少しずつ楽になります。今回は、助産師であり一児の母でもある私が、妊娠中に実践していた便秘対策を4つ紹介します。
「薬って使っていいの?」「何日出なければ異常なの?」そんな不安にもお答えします!
妊娠中はどうして便秘になりやすいの?
女性ホルモン「プロゲステロン」の影響
- 妊娠すると「プロゲステロン」というホルモンが増えます。
- プロゲステロンは子宮の平滑筋(子宮筋)に作用して、収縮を抑える効果があります。
- 一方で腸の平滑筋にも影響し、腸の動き(ぜん動運動)をゆっくりにしてしまうという作用も…
- その結果、消化・排泄に時間がかかり、便秘傾向になります。
子宮の大きさで腸が圧迫される
- だんだんと子宮が大きくなると、腸を押し上げたり圧迫する状態になります。
- 特に妊娠中期~後期になると「出したくても出ない」「ガスがたまりやすい」という症状が出てきます。

水分不足になりやすい
- 妊娠中は、胎盤や羊水をつくるために体が水分を多く必要としている状態です。
- こまめに水分をとっているつもりでも、腸まで十分な水分が届かず、便が硬くなります。
- つわりで飲み物も受けつけない…という時期は特に注意が必要!
運動量の減少や生活スタイルの変化
- 妊娠すると、体を動かす量がどうしても減ってしまいます。
- 座り仕事や立ちっぱなしの仕事をしていると、腸の動きも鈍くなりがちです。
- つわりや体調不良で食事の量が減ったり、炭水化物や甘いものばかりに偏ったりすると、食物繊維が不足して便秘傾向になります。
便秘がひどくなるとどんな事が起こる?
お腹の張りや痛みの原因になる
- 便が腸にたまると、腸が膨らんで子宮を刺激してしまいます。
- その結果、お腹の張りや痛みにつながることも…
普段、助産師として切迫早産で入院されている患者さんを観察する際にも、排便コントロールについては重要視しています。
「お腹が張る」「性器出血がある」などの切迫症状だけでなく、「どれくらいのペースで排便があるか」「便は硬くないか」なども併せて確認します。
「お腹が痛い、張る」と救急受診された妊婦さんが、ものすごい便秘で浣腸して帰宅、みたいなことも数年に一度はあります😲
痔になるリスクが高まる
- 便が硬くなってしまうと、排便時に強くいきんでしまいがちです。
- それによって、痔や肛門裂傷(切れ痔)ができることがあります。
- 産後はさらに痔が悪化しやすいため、「妊娠中にできた痔が、産後まで引きずってしまいつらかった…」という声も実際によくお聞きします🥲
「では何日間、便が出なければ危険なの🤔?」
明確な日数基準が世界的に統一されているわけではありません。
- 一般的には、2~3日以上排便がない場合
- 便が溜まっている感覚や不快感が続く場合
は、我慢せずに医師や助産師に相談したほうが良いでしょう
私の便秘エピソード
つわりの時期の便秘
- 妊娠前は1日1回の排便がありました。
- 食べづわりで、頻回の食事だけど1回量が少なくなり、排便が2日に1回、3日に1回と、回数が減っていきました。
- ただこの頃は食べる量が少ないので、便秘で苦しいと感じることはなく、「さっさと時が過ぎて、つわりが終わってくれ…」としか思ってませんでした。
つわりを終えての便秘
- 妊娠16週頃につわりがだいぶ治まってきて、妊娠前よりやや少ない程度の食事量に戻りましたが、排便は2〜3日に1回と変わりませんでした。
- 妊娠20週頃になるとお腹が少し膨らみ、お腹の張りも感じるようになりました。
- でもこの頃も子宮の張りなのか、便の張りなのかは、よく分かってませんでした。
妊娠後期の便秘
- 3日に1回の排便が普通になり、4日目に突入する時もありました…
- さすがにそんな時の便は硬くて硬くて、出した後におしりがヒリヒリしてました😱
陣痛が始まった日
- その日は排便がなく4日目に突入してました。
- 朝起きてからお腹が痛くなり「今日は便が出る日やな」と、トイレに行ったりベッドに戻ったりを繰り返してました。
- しかし、いつもならもう出てもおかしくないくらい時間が経ってるのに出ない…
- よくよく考えたら痛みが治まったり、出てきたりしてる…?
- 「あ!便ちゃう!陣痛や!」と、気づいて測り始めた時には5分毎の陣痛でした😱
普段から数日間、便を溜め込んでたせいで、陣痛を便意だと勘違いし初動が遅れてしまいました。
入院時に、最終排便日を聞かれます。
理由は便秘でお産が進みにくかったり、お産でいきんでる時に分娩時に便が出る可能性もあるからです。
この時、4日も便を溜め込んでるのが助産師として恥ずかしくなり、「2日前です」と、とっさに嘘吐いてしまいました😂(マネしないでください 笑)
私が試した便秘対策と効果
オートミールごはん
- オートミールは食物繊維が豊富で、特に不溶性食物繊維が多いのが特徴。
- 主に仕事中のごはんにオートミールを使ってました。
- 職場に電子レンジとポットがあれば、主食として持参するのはオートミール30gでOK
- いなばのカレーや親子丼、お茶漬けと合わせて食べていました。
オートミールごはんのつくり方
- オートミール30gを深めのお椀にいれる。
- オートミールが浸るくらいのお湯を注ぐ。
- 軽くラップをかけて500W1分30秒でチンする。
※電子レンジや出力によって誤差はあるので調整してください - オートミールごはん完成🤗!
私は割とこれが好きでした!粒が大きくて、食べごたえがある👏 |
スーパーでよく見るのはこっちかな😳!
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グリーンカレー辛いんですけど、クセになるっ🥺!
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正直いうと、完全にごはんになり合わるような味ではないです。
オートミールとして食べる、くらいの期待感がちょうどよい(笑)
ごはんの方が食べた直後の満足感があるけど、腹持ちはオートミールの方がよかったです。オートミールに飽きないように、休みの日は普通のごはん、仕事中のみオートミールにしてました。
排便回数は概ね2〜3日に1回で、あまり変化はなかったけどオートミールを食べた日の方が出る率が高かったです☺️
マタニティ整体
- 整体は妊娠20週ごろ(つわりと切迫流産が良くなった頃)から、月2回程度通っていました。
- 便秘だからという理由ではなく、腰痛(特に左側)があり、「体の歪みを治したい」というのがきっかけで通い始めましたが…
- 不思議なことに行った日の夜は必ず便が出る。しかも大量に🫣!
- 骨盤の歪みや姿勢が、便通に関連することを実感しました。
※個人の感想です。もしマタニティ整体を受けられる場合は主治医に相談のもと、妊婦さんが対象の施設を選んでくださいね。
水分を意識して摂る(1.5〜2L)
- 妊娠前にダイエットをしていた際、ジムのトレーナーさんに水分は1日に2.5Lとりましょう、と言われていました。
- 当時から2リットルの水を1日かけて飲むようにし(残り0.5リットルは食べ物やスープからと考えて)、妊娠してからも続けようと思っていましたが…
- つわりが始まるとまじで水が受け付けない😭!飲んで即吐いてしまうように😭!
- つわり時期の水拒否が影響したのか、真水を気持ち悪さなく、飲めるようになったのは妊娠が終わってからでした。
- そのため妊娠中は、1Lのマイボトルに水出しの茶葉をいれて、仕事中に飲み切るように意識してました。(主にほうじ茶や、うすめの麦茶が多かったですね)
- そして家に帰ってから更に1リットルを追加して、飲み切るように心がけていました。
病院で酸化マグネシウムを処方してもらう
- 酸化マグネシウムは腸に水分を集めて便を柔らかくするタイプの薬です。
- 刺激性の下剤とは違ってクセになりにくく、妊娠中にも比較的安全に使えるお薬です。
- 私自身も助産師として、多くの妊婦さんに処方されているのを見てきました。
- 副作用は多くないですが、お腹が緩くなったり、飲みすぎると電解質バランスに影響が出ることもあるため、基本は毎食後2錠で処方されていましたが、排便のペースや、便の柔らかさに応じて1錠にしてみたり、飲まなかったり自己調整していました。
- 酸化マグネシウムを飲む際には、1日の水分量も意識したほうがよいでしょう。
- せっかく腸に水分を集めて、便を柔らかくする作用があるのに、水分量が少なければ意味がありません!
- 前述した水分量はしっかり意識していないと、飲めていない人のほうが多いです
- 「コレを1日で飲み切る」というペットボトルや水筒を準備すると、水分量をきっちり把握しやすくなります!
これだけ便秘対策を色々述べている私ですが…
陣痛が始まった日、便を4日間も溜め込んでいました。
酸化マグネシウムの内服を自己調整していたと言うておりますが、正直飲むのを忘れてただけの時もあります(内服コンプライアンスが悪い助産師😱笑)
減らしたり中止したり自己調整OKの薬ですが、やっぱりちゃんと毎食後にに飲み続けるべきだったなぁと、今では思います。
※私の体質的にはそうすべきだったというので、全ての方に当てはまるわけではありません。
まとめ
- 妊娠中の便秘は、誰にでも起こり得る「妊娠の一部」です。
- 私自身もいろんなことを試しましたが、臨月には特に苦労していました。
- でも、「頑張らなきゃ!」ではなく、「今日は出なくても、また明日出たらOKかな」くらいの気持ちで、毎日できそうなことを続けていくことがコツだと感じています。
- 今回の記事で紹介した オートミールごはん、マタニティ整体、1.5〜2Lの水分摂取、酸化マグネシウムの内服 など、ご自身が続けられそうな方法をやってみてくださいね。
- もし何をしてもつらい場合は、遠慮せず医師や助産師に相談してください。
- あなたの妊娠生活が少しでも楽になりますように。