働く妊婦さん

仕事中もつわり…フルタイム助産師はどう対策してた?!

この記事を読まれている方は、「つわりの時期がきたかもしれない」「いつまでつわりは続くの?」「仕事中のつわりしんどい、どうやって対策する?」と悩まれているかと思います。私自身は、空腹を避けるための工夫や、あえて手を動かす仕事をつくるつわり対策中であることを公言する などを行い、勤務中のつわりを乗り切りました。
また夫婦・パートナーとのコミュニケーションについて改めて考えさせられた時期でした。

私は助産師としてフルタイムで勤務しながら、第1子の妊娠・出産を経ました。本記事を読むことでつわりに関する基本知識、妊娠悪阻との違いを学ぶことができます。また私が実際にしていた勤務中のつわり対策についても紹介します!

そもそも、つわりって?

つわりの経過

  • 妊娠5〜6週頃から出現します。
  • 妊娠12〜16週頃に自然に消失します。
  • 80%の妊婦が経験し、初産婦に多いとされています。

どんな症状がある?

  • 悪心、嘔吐
  • 唾液量の増加
  • 全身のだるさ
  • 頭痛
  • 眠気
  • 嗜好の変化
わっさん

よくイメージされる吐き気だけではなく、多彩な症状があります。

早朝の空腹時に症状がひどくなることが多く、欧米では「morning sickness」ともいわれています。

(よく教科書に書かれている)基本的な対策

  • 朝起きた時にすぐにつまめるように枕元に軽食を用意する
  • 食べたい時に食べたいものを食べる
  • 安静にしたり、趣味など集中できるものをみつける
  • 空腹を避け、糖質補給を心がける
  • 家事や仕事を無理しない
わっさん

基本的にはこの通り!ただ仕事していると、この通りにいかないことは多々ありました😓

妊娠悪阻はどんな状態?

つわりと妊娠悪阻との違い

つわりと妊娠悪阻を明確に分ける基準はありません。前述したつわりの症状がさらに憎悪した状態です。具体的には、以下のような状態が挙げられます。

  • 1日中続く頻回の嘔吐
  • 食事摂取困難
  • 5%以上の体重減少
  • 脱水・飢餓状態
  • 尿中ケトン体陽性※

※食べられないことが続くと、体内の糖分が枯渇して、脂肪を分解します。脂肪を分解する過程で出たゴミがケトン体で、それが尿中に出ます。通常ではありえない状態です😵‍💫

症状の経過がつわりのように一過性でなく、不可逆性になることもあります。また早朝空腹時などの日内変動がなく、一日中症状が続くような状態です。

妊娠悪阻で入院するとどんな治療をするのか

食事療法

通常、入院患者さんは、基本的に病院からでた食事(病院食、治療食)を食べていただきます。しかし妊娠悪阻の患者さんは、ご自身の好みや嗜好に合わせて、食事変更をしたり、病院食を止めてお家から持ってきていただくことがあります。

基本的につわりの時期は、食べられるものを食べられる分だけ食べるので大丈夫です😊その方針は、おうちでも入院中も変わりありません。

輸液療法

食事が食べられないので、ブドウ糖の点滴をします。また血中のビタミンB1が不足すると、ウェルニッケ脳症※という合併症を起こす可能性があり、ビタミンB1を添加し予防します。

※ビタミンB1不足による代謝性脳症で、意識障害・眼振・歩行困難などの商用を呈します。

薬物療法

上記の食事療法と輸液療法をしても、症状があまり良くならない場合に、吐き気を抑える薬を使うことがあります。

わっさん

私が働いている病院ではあまり使っているのを見たことがありません。

使うこともありますが、残念ながら薬が効いてる感覚はあまりないです…😓

わっさんのつわり体験記

いつごろから?いつまで?

  • 妊娠5週で妊娠発覚して、妊娠6週の終わりごろに始まりました。
  • 同時期にコロナになって5日間の療養生活をしていました。
  • 5日間のうち最後2日間で「もしかしてつわり?」が「絶対それ!」の確信に。
  • ピークは妊娠9〜12週頃で、妊娠16週頃には終わりました。

どんな症状があった?

  • わっさんの主な症状は、吐き気・眠気・だるさでした。
  • 実際には嘔吐したのは、つわり期間を通して2回だけ。
  • 完全なる食べづわりで、少しでも空腹になると症状が出始めました。
  • 2時間でも食べないことがあれば、もう無理😵‍💫!
  • でも食べれる物も少なかった…

つわり期間中にギリギリ食べられたもの

  • ところてん
  • そうめん
  • 梅干し
  • 茶碗蒸し
わっさん

少しでも熱いと食べられないので、茶碗蒸しも冷たい状態で食べてました😭

こんなエピソードありました

起きぬけリバース事件

  • 妊娠9週頃、朝起きたら猛烈な吐き気が襲いました。
  • 隣で寝てた夫に「1階にある食べれそうな物、今すぐ!」と声をかけますが…
  • 夫は緊急性を感じておらず、もぞもぞ寝ぼけてました。
  • 間に合わずゴミ箱にリバースした音で飛び起き、「ごめん、そんなに急ぐん…?」って😂
  • その日以降、枕元に甘〜〜いジュースが設置されました。

トイレはつわりとお友だち事件

  • その日は病棟全体がバタバタしていました。
  • たくさんの新生児とお母さんを受け持っており、座る間もなかったです。
  • ナースステーションから病室を行ったり来たり、ず〜〜〜っと歩いてました。
  • そうしている間はつわりのこと気にしてなかった、まじで本当に忘れていた🥺
  • 少し時間が出来てトイレへ行こうとしました。
  • それも吐き気でトイレ、というのではなくて「時間があるうちに行っとこう」の流れ。
  • そしてトイレへ方向転換した瞬間に、つわりのことを思い出し、トイレへダッシュ!
わっさん

嘔吐したのはこの2回だけですが、これまでの人生では経験したことのない猛烈な吐き気だったので、このエピソードが鮮明に記憶に残っています…

仕事中のつわりにはどう対策してた?

空腹を避けるためにポケットに飴を袋ごと突っ込む

  • 食べづわりだったので、空腹時に症状が強く出ました。
  • 自分はどれくらいお腹が空いたらダメなのかを知っておくべきかもしれません。
    • 私の場合、起きてる時間帯は2時間、食事がとれないと限界でした😓
  • ただ必ずしも決まった時間に食事がとれる仕事ではありません。
  • 夜勤は分娩が重なると、仮眠どころか食事をとれないこともあり地獄でした…
  • 休憩室に入る時間も惜しく、ナース服のポケットに飴を袋ごとを突っ込んでました。
    • ミルク飴、フルーツ飴などいろいろ試した結果、落ち着いたのは純露でした
  • マスクの下でず〜〜〜〜〜っと舐めてました。1勤務で半分は食べてたかも😂
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わっさん

ばあちゃんちに置いてそうな懐かしいやつ😳甘すぎるくらいがつわりの時はよかったみたい。

あと普段から舐めてませんからね!バレたら普通に怒られますよ(笑)でも当時は本当に仕事にならなくて、試行錯誤した結果がこれだった…😭

あえて出来るだけめっちゃ手を動かす

  • 私の場合、忙しいとつわりのこと忘れてるけど、ちょっとでも時間があくと思い出す。
  • かといって、しなきゃいけないことがないのに動き回るのもしんどい。
  • あまりその場から動かずに出来る仕事をあえて探してました。
  • 点滴のテープをひたすら切ったり、ミキシング台の物品を補充したり、単純作業で時間がかかる作業がいいかも😅
わっさん

キャスター付椅子に座ったまま、ベビー室内を移動しまくって怒られたことを思い出します…(笑)

つわり対策中って公言しちゃう

  • 仕事中に飴を舐めたり、キャスター付椅子で移動したり、スタッフからしても患者さんからしても、不良助産師😂文字面だけみて想像すると相当態度悪いですよね〜😂
  • でも当時はそれがないと仕事できなかったし、申し訳ない気持ちもあるわけです…
  • 話しやすいスタッフから伝えて徐々に広げていきました。
  • 「ごめんなさい、食べづわりで何か舐めとかないと吐き気するんです🥺」
  • ごめんなさい、と言いながら、持ってる飴をその都度お裾分けしてました🤣
  • 本当にピークの時は患者さんにも伝えてました。
    • マスクの下とはいえ、飴を舐めてるの分かる人には分かりますからね。
    • 特に授乳指導や妊婦健診は長時間1対1で話すこともあったので打ち明けてました。
わっさん

「働きながらのつわり辛いですよね」「助産師さんでも対策一緒ですよね」といった反応が多かったです。

公言しちゃっても、案外みなさんあたたかいものです。本当にありがたい🥺

家では本気でだらける

  • 自律神経系とつわりとの関連について、研究論文はありません。
  • ただ今回の経験上、交感神経優位になってる(働いている、緊張している)時は、つわりのことを忘れていることが多かったです。
  • だからあえて、仕事をつくって交感神経優位の状態を保とうとする時期もありました。
  • しかしそれで仕事中のつわりがましになったとしても、家での反動がまじですごい😵‍💫
  • 家では申し訳ないくらい、なんにもしませんでした。というかできませんでした。
  • でも家でしっかり何もしないことが次の日の仕事につながっているような気がします。
わっさん

ごはんはお惣菜をフル活用し、洗濯掃除は溜めに溜めてました…

服も選ぶのがめんどくさくなって、ミニマリスト化。この頃から本当に服を買わなくなり、産後の今も続いちゃってます🤣

お風呂も滝行のようにシャワーに打たれたまま動けない日があったなぁ😅

この時期からのパートナーとのコミュニケーション

つわりの症状は個人差がありすぎます。その認識自体は、夫や家族にもあります(中にはその認識がない人もいますが)。だからこそ何をしたら、あなたが助かるか分からないのです。

エピソードからも分かるように、すぐに食べ物がほしい状況でも、夫からしたら「そんなに緊急だと思わなかった」んですよね。

自分がしんどい時に、いちいち伝えるのは更にしんどいし、察してくれよ…という気持ちもよく分かります。

私達夫婦が妊娠前から、「言葉で伝えないと、気持ちは分からない」「察してほしいは無理」だから、いかなる時もちゃんと話し合うを目標にしてました。ちゃんと話し合えば、感情的な争いはなくなると当時は本気で思っていました。

わっさん

今思えば、察する努力を放棄してねえか?と思いますが(笑)

ただつわりは別や!しゃべれん!!ちょっとは察してくれぃ…

妊娠してから私たち夫婦は数え切れない喧嘩をしました。もうね、喧嘩なしは無理です(笑)いつまで経っても察してはくれないし、きっと私も夫のことは察しきれていません。

喧嘩する度に仲良くなってる感覚もあるし、まだこんなことで揉めるのかよ…と思う感覚もあります。

結局何を言いたいかというと、つわりでしんどい時は、
単語でも良い、ラインでもいいご自身の症状と夫・家族にしてほしいことを明確に伝えてみてください。まじで今後も言わないと分からないこと増えます😂
つわりには一応ゴールがある、時間が解決する部分も大きいです。
期間限定のお願いごとだと思って(これからお願いごとはいくらでも増えるからその練習だと思って)、ちゃんと甘えちゃってください、無理しないでください☺️

まとめ

つわりとは、妊娠5〜6週頃から現れ、約80%の妊婦が経験します。
吐き気・嘔吐に限らない多様な症状を呈します。
また妊娠悪阻は、つわりが憎悪した状態で、入院治療が必要になることがあります。

私自身も食べづわりと付き合いながら、日勤も夜勤もフルタイムで勤務していました。
具体的な対策は、

  • 空腹を避けるために、飴を袋ごとポケットに突っ込む
  • 出来るだけ(その場から動かない)、手を動かす仕事をする
  • つわり対策中だと公言しちゃう
  • 家では本気でだらける

をしてました🤣
この時期からパートナーとしっかりコミュニケーションをとり、ご自身の症状+してほしいことを明確に伝えてください。残念ながらパートナーは言わないと分かってくれません😭

働きながらつわり期間を乗り越えるのは、本当にしんどいと思いますが、少しでもヒントに内容があれば嬉しいです!